再婚で連れ子を養子縁組する?しない?手続き・戸籍と苗字・2026年の共同親権の影響まで解説

この記事の要点

  • 再婚しただけでは、連れ子と再婚相手の間に法律上の親子関係はできない。養子縁組をすると親子になり、相続人にもなる
  • 再婚相手が配偶者の子を養子にする場合、家庭裁判所の許可は要らない(役所への届出で成立)
  • 養子縁組しない場合、子どもの苗字を親にそろえるには家庭裁判所の「子の氏の変更許可」が必要
  • 2026年4月から共同親権が始まり、15歳未満の子の手続きでは、原則として元の配偶者の同意も必要になる場合がある

この記事は、法務省・裁判所・日本年金機構などの公開情報と法律の条文をもとにした一般的な説明です。個別の事情によって扱いが異なることがあるため、手続きの前に市区町村の窓口や家庭裁判所、弁護士などの専門家にご確認ください。

再婚しただけでは、連れ子と再婚相手は「親子」にならない

子どものいる人が再婚しても、それだけで再婚相手と子どもの間に法律上の親子関係が生まれるわけではありません。親子になるには、再婚相手と子どもが養子縁組をする必要があります。

民法では、養子は縁組の日から養親の嫡出子(法律上の実の子)と同じ身分になり(809条)、養親の氏(苗字)を名乗ります(810条)。子は親の相続人になる(887条)ので、養子になった子は再婚相手の相続人にもなります。

養子縁組する・しないで何が変わるか

養子縁組する養子縁組しない
再婚相手との親子関係法律上の親子になる親子ではない(配偶者の子)
相続再婚相手の相続人になる再婚相手の相続人にはならない
子どもの苗字養親(再婚相手)の苗字になるそのまま。そろえるには家庭裁判所の許可が必要
実の親(元の配偶者)との関係普通養子縁組なら、実の親との親子関係も続く変わらない

どちらが正解ということはなく、子どもの年齢や気持ち、元の配偶者との関係、家族のこれからを考えて決めることが大切です。

養子縁組の手続き

家庭裁判所の許可は要らない

未成年の子を養子にするには、原則として家庭裁判所の許可が必要です。ただし、自分や配偶者の子(孫など)を養子にする場合は、許可は要りません(民法798条ただし書)。再婚相手が配偶者の連れ子を養子にするケースはこれに当たるので、市区町村役場に養子縁組届を出せば成立します。

出典:裁判所「養子縁組許可」。養子や養親が外国人の場合は、許可が必要になることがあります

15歳未満の子は、親が代わりに承諾する

子どもが15歳未満の場合は、法定代理人(親権者)が子に代わって縁組を承諾します(代諾、民法797条)。15歳以上なら、子ども本人が縁組をします。

2026年4月からの共同親権で変わること

2026年4月1日から、離婚後も父母が共同で親権を持つ「共同親権」を選べるようになりました。これにより、子連れ再婚の手続きにも影響があります。

  • 養子縁組:共同親権の子が15歳未満の場合、縁組の代諾は父母がそろって行う必要があります。父母の意見が合わないときは、家庭裁判所に「親権行使者の指定」を申し立てることになりますが、認められるのは縁組が子の利益のため特に必要な場合に限られます
  • 縁組後の親権:共同親権の子が再婚相手の養子になると、養親とその配偶者(実の親)が共同で親権を持ち、もう一方の実の親は親権者でなくなります(民法818条3項)
  • 子の苗字の変更:15歳未満で共同親権の場合、子の氏の変更許可の申立ては、原則として父母が共同で行います

出典:裁判所「家事事件Q&A」法務省「Q&A形式の解説資料(民法編)」裁判所「子の氏の変更許可」

離婚時に単独親権になっている場合は、これまでどおり親権者だけで手続きできます。自分のケースがどちらに当たるかは、戸籍や離婚時の取り決めで確認しましょう。

養子縁組しない場合:子どもの苗字と戸籍をそろえるには

養子縁組をしない場合、子どもの苗字は自動では変わりません。親が再婚して苗字が変わると、親と子の苗字が違う状態になります。

子どもの苗字を親(父または母)の苗字に変えるには、家庭裁判所の許可を得てから、市区町村役場に届け出る必要があります(民法791条)。子どもが15歳未満の場合は、法定代理人が代わりに申し立てます。家庭裁判所の許可を得た後に役所へ届け出ることで、子どもの戸籍も親の戸籍に移ります。

出典:裁判所「子の氏の変更許可」裁判所「家事事件Q&A」

再婚で変わる手当・年金・養育費

「注意点」と書かれた積み木

  • 児童扶養手当:母(父)の配偶者に子どもが養育されているときは支給されません。ここでいう婚姻には、届出をしていない事実婚も含まれます(児童扶養手当法)。養子縁組をするかどうかに関係なく、再婚すると支給の対象外になると考えておきましょう
  • 遺族年金:遺族年金を受け取っている人が結婚すると(内縁を含む)、受け取る権利がなくなり、届出が必要です
  • 養育費:再婚は、養育費の増額・減額を求めることができる「事情の変更」の例として、裁判所が挙げています。再婚したから自動的に止まるわけではありません

出典:児童扶養手当法(第3条・第4条)、日本年金機構「遺族年金を受けている方が結婚や養子縁組などをしたとき」裁判所「養育費に関する手続」

女性の再婚禁止期間は廃止された

以前は、女性には離婚後の一定期間は再婚できない決まり(再婚禁止期間)がありましたが、民法の改正により、2024年4月1日から女性の再婚禁止期間はなくなりました。

出典:法務省「民法等の一部を改正する法律について」

よくある質問

養子縁組すると、元の配偶者との親子関係はなくなりますか?

一般的な「普通養子縁組」では、実の親との親子関係もそのまま続きます。実の親との関係が終わるのは「特別養子縁組」という別の制度で、要件も手続きも異なります。

養子縁組は後からでもできますか?

再婚と同時でなくても、後から届け出ることができます。子どもが成長してから本人の意思で決めるという選択もあります。

コラム一覧へ戻る